ごあいさつ
私たちの担当する消化器病は消化管疾患(食道・胃・十二指腸・小腸・大腸)や肝臓病、胆道(胆嚢・胆管)、膵臓疾患の急性、慢性の消化器疾患全般にわたっています。2005年には消化器科・外科が協力して、スムーズに診療を行えることを目標として消化器病センターを開設しました。
経口摂取や嚥下が困難な高齢者を含む方々に対して、栄養補給路としての経皮的内視鏡的胃瘻造設術(PEG)を積極的に導入し、また、経口摂取不良な方に対し、週1回栄養サポート(NST)外来を併設し、近隣の病院・施設との連携を図っています。
治療方針
- 私たちの目標は、地域医療の充実・発展のため、ごくありふれた一般的な疾患のみならず、高度先進医療を提供し、伊達市を含む西胆振地区の人たちが、最小の負担、最短距離で診断を行い、最適な治療を提供することを心がけ、スタッフ一同日々向上を目指して努力しています。
- 高齢化社会が加速する中で、より低侵襲な治療(消化管腫瘍に対する内視鏡的粘膜下層剥離術・粘膜切除術、胆管結石の内視鏡治療など)を提供することのみならず、抗がん剤治療や肝腫瘍の治療(ラジオ波焼灼療法など)なども行っています。特に胆道・膵疾患に関しては先進医療で提供していると考えています。
- 内視鏡検査が苦痛である方には、適切な静脈麻酔(鎮静剤)使用し、胃内視鏡検査に関しては経鼻内視鏡検査を2004年より積極的に導入しています。
実績
2022 | 2021 | 2020 | 2019 | 2018 | 2017 | |
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上部消化管内視鏡検査・処置 | 4285 | 4390 | 4187 | 4920 | 4795 | 4273 |
下部消化管内視鏡検査・処置 | 797 | 930 | 800 | 1174 | 1227 | 1046 |
胆膵内視鏡検査・処置 | 258 | 283 | 290 | 357 | 298 | 235 |
超音波内視鏡検査 | 387 | 457 | 441 | 541 | 439 | 527 |
腹部超音波検査 | 1456 | 1575 | 1382 | 1539 | 1509 | 1736 |
ラジオ波焼灼療法 | 17 | 19 | 28 | 23 | 13 | 34 |
経皮内視鏡的胃瘻造設術 | 35 | 39 | 21 | 18 | 28 | 21 |
当科で診療する主たる疾病
1.消化管疾患 | 逆流性食道炎、胃十二指腸潰瘍、食道・胃・大腸癌、炎症性腸疾患(潰瘍性大腸炎・クローン病)、粘膜下腫瘍、食道・胃静脈瘤、機能性胃腸症など |
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2.肝臓疾患 | ウイルス性肝炎、自己免疫性肝疾患、肝硬変、肝細胞癌、転移性肝腫瘍など |
3.胆膵疾患 | 胆嚢ポリープ、胆嚢・胆管結石、胆嚢・胆管癌、胆嚢炎・胆管炎、急性・慢性膵炎 膵臓癌、膵嚢胞性疾患など |
4.その他 | 糖尿病、甲状腺疾患など |
主な機器処置具等
オリンパスメディカルシステムズ株式会社との協力により、2006年4月から最新の内視鏡設備(ハイビジョン画像ビデオスコープシステム)を導入しました。また、2023年4月より、フジフィルムメディカル株式会社との協力により、内視鏡スコープの増数とともに最新の内視鏡AI(人工知能)診断支援技術を搭載したスコープを使用できるようになりました。
それにより、上部および下部消化管内視鏡では癌の早期発見、腫瘍の鑑別診断に有用である拡大観察や粘膜微細構造を描出する画像強調内視鏡術を用いた観察(Narrow Band Imaging、Linked color Imagingなど)が可能となりました。
また、今まで組織・細胞の採取が困難であった膵腫瘍、リンパ節・粘膜下腫瘍などの診断に対する超音波内視鏡下穿刺(EUN-FNA)が可能であり、その技術を応用した治療も積極的に施行しています。
機器処置具
- 上部消化管スコープ オリンパス9本 フジ7本 (細径内視鏡 5本)
- 下部消化管スコープ オリンパス5本 フジ3本
- 胆膵用スコープ 2本
- 超音波用スコープ 2本(ラジアル型、コンベックス型)
- 小腸用スコープ ショート2本 ロング1本
- 自動洗浄機 4台(オリンパス社製 3台、富士フィルム社製 1台)
- 高周波発生装置 3台 VIO3 ICC200 ESG100
- アルゴンプラズマ凝固装置 2台 APC3 APC300
- ヒータープローブ装置 1台
- 炭酸ガス装置 6台(オリンパス社製4台 富士フィルム社製3台)
- 内視鏡ビデオスコープシステム 5台(オリンパス社製 EVIS X1 3台 EVIS LUCERA 1台、富士フィルム社製 BL7000)
- 内視鏡様超音波観測装置:EU-ME2 2台
- Spy Glass DS 1台
- AUTOLITH 1台

その他
当院の内視鏡検査室には看護師8名(うち消化器内視鏡学会認定内視鏡技師6人)と看護助手2名が在籍し、機器管理・検査介助を担当しており、安全で効率のよい検査を受けていただくよう努力するのみならず、コメディカルの専門性も高めるよう努力しています。
また、私たちは日々の診察に止まらず、学会、研究活動を通じての社会への貢献を目指しています。
国際学会、国内の全国大会はもとより、北海道の地方会・研究会などに積極的に発表・参加することで、私たちの経験が共通の知見となるよう、また、最新の診療に有用な情報を収集するように活動しています。
医師紹介
医師名 | 役職 | 認定資格等 |
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久居 弘幸 | 副院長兼消化器科部長 | 札幌医科大学大学院医学研究科臨床教授 日本内科学会総合内科専門医 日本消化器病学会専門医・指導医・学術評議員・支部評議員 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医・学術評議員・支部評議員 日本肝臓病学会専門医・東部会評議員 日本膵臓学会認定指導医 日本胆道学会認定指導医 日本消化管学会胃腸科専門医・指導医 日本消化器がん検診学会総合認定医・代議員 日本ヘリコバクター学会H.pylori感染症認定医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本プライマリケア連合学会認定指導医 |
櫻井 環 | 第二消化器科部長 | 日本内科学会総合内科専門医 日本消化器病学会専門医・支部評議員 日本消化器内視鏡学会専門医・指導医 日本がん治療認定医療機構がん治療認定医 |
飴田 咲貴 | 医師 | 日本内科学会内科専門医 日本消化器内視鏡学会専門医 日本消化器病学会専門医 |
鈴木 慎人 | 医師 |