0142-23-2211 Japanese Red Cross Society
文字サイズ:標準 特大

循環器科

診療科紹介

我々循環器科の扱う疾患は、高血圧や高コレステロール血症などの生活習慣病にはじまり、心不全や不整脈、狭心症や心筋梗塞(虚血性心疾患)や下肢閉塞性動脈硬化症、大動脈瘤・解離、深部静脈血栓症・肺塞栓症といった心臓のみならず全身の血管病まで多岐にわたります。代表的な病気や症状について下欄に説明していますので、思い当たる方はお気軽に当科を受診ください。

また令和5年度より診療体制が新しくなり、より専門性の高い心臓のカテーテル治療を行えるようになっただけでなく、重症の足梗塞(下肢閉塞性動脈硬化症)に対するカテーテル治療、下肢静脈瘤に対する体への負担の少ないレーザー治療など、あらゆる足の血管病にも対応できるようになりました。

くわしくは下肢血管外来ページをご覧ください。

当院では医師だけでなく、看護師、検査技師、臨床工学士、レントゲン技師、管理栄養士、リハビリ科、薬剤師といった様々な病院スタッフと連携してチーム医療を行うことで、胆振地区の医療に微力を尽くしてきました。
今後も患者さんひとりひとりの立場に立った最適な医療を提供することで地域医療に貢献していきます。

循環器科:外来担当医表

医師紹介

医師名 役職 認定資格等
武智 茂 名誉院長 兼 第一循環器科部長 医学博士
日本循環器学会専門医
日本内科学会認定医
日本臨床薬理学会認定医・指導医
日本医師会認定産業医
小笠原 大介 第二循環器科部長 医学博士
日本内科学会 認定内科医・総合内科専門医
日本循環器学会 循環器専門医
日本心血管インターベンション治療学会 認定医・専門医
日本脈管学会 脈管専門医
下肢静脈瘤血管内焼灼術 実施医・指導医
浅大腿動脈ステントグラフト実施医
Japan Endovascular Treatment Conference
大屋 研一 医師

生活習慣病

以前は“成人病”との名称でしたが、食生活をはじめ暮らしが豊かになり、ライフスタイルも多様化した結果、生活習慣による肥満や高血圧、糖尿病や高コレステロール血症の方が増えており、“生活習慣病”と呼ばれるようになりました。
最近は“メタボリックシンドローム”という言葉も一般的になってきましたが、内臓脂肪が蓄積し、生活習慣病の前段階が複数重なって起こっている状態のことをいいます。
ひとつひとつの生活習慣病は軽かったとしても、長年放置をしたり、複数の病気が重なってきたりすると、動脈硬化(血管の中にコレステロールの塊がこびりついて血管が硬くなり、流れが悪くなること)が進行し、この後で詳しく説明している虚血性心疾患や全身の血管病、脳梗塞などを引き起こしてしまう危険性が高くなっていきます。

これらの生活習慣病の難しい点は、自覚症状がなかなか出現しないため早期に治療介入されにくいこと、自覚症状が出現する段階では病状も進行していることが多いこと、治療は薬だけでなく、食生活や運動など一人一人のライフスタイルも考えなければならないこと、などが挙げられます。
当院では我々循環器科をはじめ各病気の専門家が所属しており、各種検査(動脈硬化を調べる検査機器)や栄養科による食事指導など、あらゆる生活習慣病に総合的に対応することが可能です。一度ご自身の健康に改めて向かいあってみるのはいかがでしょうか。ご心配の方は当院までご相談ください。

このような症状の方は受診をお勧めします
  • 血圧・コレステロールの値が高い
  • メタボリックシンドロームが心配・メタボリックシンドロームと言われた
  • 健康診断で上記を指摘された
  • 不規則な生活を送っており、体重が増えてきている など

虚血性心疾患(狭心症・心筋梗塞)

心臓は“心筋”と呼ばれる分厚い筋肉からできており、この心筋が動くことで血液を全身に送り出しています。
血液は酸素や栄養を全身に運ぶ役目を担いますが、心臓自身も動くためには酸素や栄養を受ける必要があり、その心筋に血液を運ぶ血管が“冠動脈”といいます。
虚血性心疾患とは、この冠動脈の病気のことで、みなさんご存じの“狭心症”や“心筋梗塞”という名で知られています。冠動脈にコレステロールなどのゴミがたまることで血液が流れにくくなり、十分な血液を心筋に送れない状態を狭心症、冠動脈が完全に詰まり血液が全く流れなくなった状態を心筋梗塞といいます。
主な症状は、突然の胸の痛みや重苦しさ・冷や汗・吐き気・胃の痛みなどが多いですが、まれに肩こりや歯が浮いたような感覚を最初に感じる方もいますので注意が必要です。

一刻も早い治療が必要な場合もあるため、これらの症状が続くときは医療機関を受診して下さい。当院では速やかに診断した後に(診察・血液検査・心電図検査・心臓エコー検査・心臓CT検査など)、必要な方にはカテーテル治療も行います。繰り返しますが、この病気は重症の場合は死に至ることもあるので、気になる症状があれば循環器科にかかるようにして下さい。

このような症状の方は受診をお勧めします
  • 胸全体に締め付けられるような痛み・違和感がある
  • のどが詰まる
  • 肩から腕にかけてコリがある、痛みがある(主に左側)
  • 呼吸が苦しい
  • 吐き気・冷や汗 など

心不全

心臓は全身に血液を送り出すポンプとして休むことなく働き続けています。心不全とはなんらかの理由でこのポンプの働きが低下している状態を指します。
心臓の弁の異常(弁膜症)や心臓の筋肉の異常(心筋症)、狭心症や心筋梗塞といった虚血性心疾患などさまざまな原因がありますが、結果としてすべて心臓のポンプ機能の低下がおこるため、この状態をまとめて“心不全”と呼んでいます。
高齢化の一途をたどる我が国では、今後も心不全患者の増加が続くと予想されており、感染症患者の爆発的な増加になぞらえて、現代は“心不全パンデミック”の時代とも呼ばれています。

主な症状は息切れや身体のだるさ、呼吸困難感、むくみや体重増加など多彩です。診察室では、身体所見に加え血液検査やレントゲン、心臓エコー検査を用いて心臓の評価をします。心不全は原因によって治療方法も異なり、さまざまなお薬を服用(点滴)するのが基本ですが、中にはカテーテル治療が必要な方もいらっしゃいます。
ほかの病気と同じく早期発見・早期治療が重要で、現在は数十年ぶりに新しい心不全治療薬が登場してきたタイミングでもありますので、ご心配の方は循環器科までご相談ください。

このような症状の方は受診をお勧めします
  • だるい・疲れやすい
  • 息苦しい・呼吸困難
  • からだのむくみ・体重が増えてきた
  • 坂道や階段を上ると動悸や息切れがする

その他 全身の血管病(大動脈疾患・閉塞性動脈硬化症など)

心臓から出た血液は大動脈と呼ばれる体のなかでもっとも太い血管を通じて全身へ流れていきます。この大動脈の壁がもろくなると、コブ状に膨れたり(大動脈瘤)、血管の壁が裂けると激しい胸や背中の痛みが出現(大動脈解離)します。ともに適切な治療のタイミングを間違うと命に関わる大変な病気のため、迅速な診断・治療方針の決定がなにより重要です。
閉塞性動脈硬化症は、別名足梗塞とも呼ばれており、おもに足の血管が狭くなることにより血液不足による症状が出現する病気です。歩くとふくらはぎがだるくなる、足の指が冷たくて夜眠れないなどの症状はこの病気を疑いますので、当科を受診してください。

なお当院は、この閉塞性動脈硬化症に対する体への負担の少ないカテーテル治療に特に力を入れており、病気のこと、検査や治療の詳細についてもくわしい説明をしていますので、気になる方はこのバナーからお入り下さい。

くわしくは下肢血管外来ページをご覧ください。
下肢血管外来のご案内パンフレットはこちら
このような症状の方は受診をお勧めします
  • 突然の胸や背中にかけての激しい痛み
  • 歩くとふくらはぎが重だるくなる
  • 足が冷たく感じる・痛くて夜眠れない
  • 足の指に傷ができて治らない など

不整脈

心臓は一定のリズムで動いていますが、何らかの理由でリズムが乱れた状態が不整脈です。心臓が動くための電気回路が正常に流れていない状態と説明されることもあります。
おもに脈の乱れや動悸で気付く場合が多いですが、めまいや吐き気、ひどい場合は意識消失をおこす人がいる一方、自覚症状がない場合もあります。
不整脈にもさまざまな種類があり、放っておいて構わないものから、適切な治療が必要なものまであり、専門の医師が心電図をチェックする必要があります。特に心房細動は脳梗塞の原因になるため注意が必要です。

不整脈に対してはお薬(薬物治療)に加えて、最近ではカテーテルによる治療(アブレーション治療)も積極的に行われるようになっていますので、心当たりのある方は専門医の診察をご検討ください。

このような症状の方は受診をお勧めします
  • 動悸がする
  • めまいや吐き気、冷や汗が出る
  • 息切れや疲れやすくなった など

深部静脈血栓症・肺塞栓症

足の深い部分を流れている静脈の中に血の塊(血栓)ができる病気です。この血栓が血液の流れを停滞させてしまうと足が腫れ、熱感や痛みが出現します。
またこの血栓が血液の流れに乗り肺の血管にとぶことによって、肺塞栓症と呼ばれるさらに危険な病気を引き起こしてしまう可能性もあります。血栓ができやすい原因としては、手術後や車や飛行機の移動などといった長時間動かない状態におかれること(一般の方にはエコノミークラス症候群の名で知られています)、脱水、妊娠、喫煙などが挙げられます。

問診や診察、採血検査でこの病気が疑われた際は、足の静脈エコー検査やCT検査を行うことで診断できます。心配な方はぜひ一度当科までご相談ください。

このような症状の方は受診をお勧めします
  • 足が痛い・むくむ・熱をもっている
  • 長時間の安静や移動を行った後に足が腫れている など

足のむくみ

足のむくみが循環器科の病気なの?と思われるかもしれませんが、全てではないものの、一部の病気は心臓や静脈の病気と深い関わりがあります。
人の体は、心臓から動脈と呼ばれる血管を通じて酸素や栄養を全身の細胞に届けます。使用された血液は、今度は静脈という血管を通じて再び心臓に戻っていきます。心臓は全身へ血液を送り出す場所であり、まさに給水ポンプのような働きをしています。
中でも足を流れる静脈は、体の下から上方向へ向かい、重力に逆らって心臓まで血液を戻す必要があります。この循環がスムーズに行われるように、足の筋肉がポンプの役目を果たしています。下半身には全身の2/3の筋肉が集まっているといわれており、ふくらはぎの筋肉を中心に巨大な筋肉ポンプの力で血液をした方上に押し上げています。昔から“足は第2の心臓”と言われてきましたが、それはこの働きのことを言っています。

これが何らかの理由でうまく働かなくなると、ふくらはぎの場所で血液が停滞してしまい、余分な水分がしみ出すことでむくみが生じます。
むくみの原因としては、心不全や腎不全、リンパ浮腫、深部静脈血栓症、下肢静脈瘤などのはっきりとした原因のあるものから、加齢に伴う変化や運動不足、お薬の副作用などはっきりとしないものまで多岐にわたります。
むくみはいくつもの原因が複雑に影響し合っていることも多く、全ての方が必ず良くなるわけではありませんが、「むくみはいつものことだから」とあきらめるのではなく、一度受診していただければお手伝いできることがあるかもしれません。

またむくみと共に足の血管が浮き上がっている、ボコボコしているといった方は下肢静脈瘤がむくみの原因である可能性があります。
そのような方は体に負担の少ないレーザー治療で改善が期待できますので、当科までご相談ください。
下肢静脈瘤に関しては“下肢血管外来の取り組み”でもくわしく解説していますので、よろしければチェックしてみてください。

くわしくは下肢血管外来ページをご覧ください。
下肢静脈瘤治療のパンフレットはこちら
このような症状の方は受診をお勧めします
  • 下半身のむくみ
  • 足がだるい・重い・痛む
  • 歩くとすぐに足がだるくなる
  • 一日を通して長時間同じ姿勢で過ごしている(立ち仕事・寝たきり) など

睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群とは、睡眠中に何度も呼吸が止まることで(無呼吸)、体が酸素不足の状態に陥ってしまう病気です。睡眠中の無呼吸によって睡眠の質が低下することで、起床時の頭痛や倦怠感、日中の眠気~集中力を欠くなどの症状が出現し、日常生活に様々な影響を及ぼす可能性があります。
また血液中の酸素が足りなくなることで心臓や脳、血管に負担がかかり、脳梗塞や心筋梗塞などの危険性が高まることが証明されており、そのほかにも糖尿病や高血圧などの生活習慣病を悪化させることも報告されています。
睡眠時無呼吸症候群には大きく2つのタイプがありますが、閉塞型(睡眠中に喉の緊張がゆるみ、舌の根元が落ち込むことで物理的に気道が狭くなることにより無呼吸が起こる)が大部分を占めます。このタイプの方の特徴として“肥満”があり、体型が太った結果気道が狭くなり、いびきをかくというのもこの病気の特徴の一つとなります。
当院では睡眠時無呼吸症候群が疑われる方には、実際に無呼吸の回数などを調べる検査(簡易型;自宅で検査可能、精密型;1泊入院で検査)を行い、重度と診断された方にはCPAP(シーパップ)と呼ばれるマスクを装着して持続的に空気圧をかけることにより気道の閉塞を解除する治療を提供することが可能です。
いびきや睡眠中の無呼吸は自身で気づくことは難しく、家族やパートナーの指摘で初めて知る方も多い上に、重症化すると生命にかかわる病気(脳梗塞・心筋梗塞)のリスクにもつながることもあるため、心配の方は当科までご相談ください。
なお病気や治療法についてくわしく説明しているパンフレットもありますので、気になる方は下のバナーよりチェックしてください。

睡眠時無呼吸症候群のご案内パンフレットはこちら
このような症状の方は受診をお勧めします
  • 日中の眠気、集中力の低下
  • 周囲の方からいびきや無呼吸を指摘される
  • 起床時に頭痛や体のだるさを感じる
  • 夜中に何度も目が覚めてしまう など

Top

© 2024 日本赤十字社 伊達赤十字病院|公式サイト